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ヨーロッパの日常をのぞき見

 先日、フランスとスイスに旅行にいってきました。(写真はスイスのベルン)

私にとって2回目となるこの海外旅行は、スイス在住の友人の力で大変内容の濃いものとなりました。

 インテリアの仕事をしていますが、なかなかハードなこのお仕事。まとまったお休みは取りにくいのですが、意を決して。ヨーロッパに留学や住んでいらして、その土地のインテリアや建築に魅了されてこの仕事を目指す方は多いと思います。私の今回の場合は逆。今までこの仕事をしながら憧れに憧れてきたヨーロッパという地に実際にいける!ということで、渇望していたこの思いをすべてこの旅にぶつけることにしました。

この旅の目的は「素のヨーロッパを知ること」。これは旅のプランを考えてくれた友人にもリクエストしたことで、フランスやスイスの田舎街や日常の風景を見たいとお願いしました。

 フランスについて初めに思ったのは「目にはいるものすべてが統一されて美しい」ということでした。

上の写真はお店の中のなんてことないお菓子。

このお菓子のパッケージやディスプレーなど発行元や製造元は違うのにすべてに統一感があることに驚きました。普段の何気ない生活の中で目にするものが整っていると、自然と美意識が整っていくのではないかなと実感。

 こちらの写真はフランスのナントという街のひとこま。(ナントはフランス人が住みたい街ナンバー1にあげているとかいないとか・・・?)とても閑静で小さな街なのですが、こんな風に何気なくディスプレイされている植栽が美しい。友人曰く、街の景観を保ったり、綺麗にするという意識は一般の市民の人にも当たり前のように根付いているのだそう。街の美しさを住んでいる方も誇りに思っているのですね。

こちらもスイスの小さな街のひとこま。

ル・コルビュジェの「ロンシャン礼拝堂」にどうしてもいきたくて、無理を言って友人の同僚の方に車を出してもらい、ロンシャンに向かっているときに寄ったスイスの山間の街。小さな街ですが本当に美しい。石畳も昔のそのまま。古い建物がきれいに塗り分けられているのがとっても素敵。私はデザインをするときにその場になじむものを選びたいと思うタイプなので、あまりアクセントなどの色を提案しないケースが多い。

でもこのカラフルな美しい外壁は、どこまでもこの美しい自然や山々、石畳みとなじんでおり、本当に感動しました。

 こういった色の塗り分けは、誰か大元のとりまとめする人がいて、うまいことまとめているのかと思い、友人に聞いてみたところ「多分みんな好きに思い思いやっているよ」と。。プロがまとめているわけでもないのに、暮らしている人が自分達の住んでいるところをこんな風に素敵に変えて整えていける力があることが素晴らしく。大変勉強になりました。

 同じ街。スイス・フランスにいって感じたのは、地震がない国なので古い建物や石畳みなどの道がそのまま街に残っているということ。街全体が整って美しいのは、古いものの良さをしっかりと受け継ぎ、守り、それに今の暮らしの楽しさや快適さも加えていること。これは私がデザインを追求していく上で最も大切にしていいきたい軸なので、実際にその街を歩けたことは本当に貴重な体験でした。

 いいことづくめにも見えますが、友人いわく「ここに住んでいる人たちは最初からこの感じに合わせたことしかできない。だから色んなスタイルで自由に住める日本に憧れる人もたくさんいるよ」とのこと。その土地、文化、価値観によってデザインや空間は大きく変わっていきます。その中で心地よく、その人らしく過ごし、そして何年後にみても受け継ぎたいな今でもなじんでいるなと思わせるようなデザインをつくっていきたいと初心にかえらせてくれる旅でした。

まだまだ旅で見たものについてもブログを書いていきたいと思います。

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