新築をリフォームする。
「新築をリフォームする」なんて矛盾していると思いませんか。
「リフォーム」=「古くなったところを交換する」というのが一般的な認識だと思います。
私は30代前半の年代なので、周りの人たちが家を取得するラッシュがきています。
新築のお家を建てる人が多く、家づくり1年生の皆さんから色々と相談を頂いたりします。
また、最近は新築ハウスメーカーさんのインテリアコーディネーターの仕事もうけているので、今まであまり関わってこなかった
「ハウスメーカーさんで新築をたてるときにお客さんが困っていること」
が少しだけ見えてきました。
一番多いのが
「オプションが高い」
です。
アクセントクロスをしたいけどこの中からしか選べないって言われた。
棚をつけるだけなのに〇万円って言われた・・・。
などなど。
今は情報化社会なので、かっこいい家がネットでわんさか見られます。
皆さんの家づくりに対する期待値やワクワク感がすごく高まっています。
私としてもとても嬉しい。
やはり帰る場所は好きな場所であってほしいです。
でも、理想と費用のバランスが追いつかない。
結局これも・これも・これも・ぜ~んぶ我慢!になってしまう。
これまたネット社会の特徴・・・。「アクセントクロス 金額」でググってみたら、こんなに安い!ぼったくりじゃん・・・!と落ち込んでみたり。
ハウスメーカーさんの味方をするわけではないですが、それぞれの「強み」があるのは事実だと思います。
新築をやってきたメーカーさんは、お客様が安心できるくらしが出来るように、構造を研究したり、断熱や気密など独自の工法を深めて提供する努力をしています。
人気や流行を検証して、お客様に満足のいくスタンダードプランをつくることで、無駄なミスや手間を省き、工期通り・仕上がりレベルも満足のいくものを提案しようというのが考え方だと思いますし、それが最終的にお客様の為になっているのも事実だと思います。
職人さんたちもしっかり施工経験のあるものを扱えれば、レベルの高い施工品質を保つことが出来ます。
アフターサービスの管理もしやすいですから、不具合があった時の対応スピードも速まっていきます。
当たり前のことですが、沢山の人がかかわる建築の中で「品質を保つ」のはとても難しいことだと思います。
上記の理由から、イレギュラーに対してのコストが割高になっていくのは仕方のないことじゃないかなと私は思います。
その分「安心」「安全」「信頼」を得ているのですから。
「安心」「安全」「信頼」の基盤はとても大事なことだと思います。
でも・・・。
洗面台がタイルで可愛ければ嬉しいし、壁にアクセントで羽目板はってカフェみたいにしたいし、寝室の壁を一面濃紺にしてぐっすり眠りたいですよね。
ここにリフォームが役にたつのだと思います。
洗面だけあとから自分の好きなのをいれよう。
壁に棚をつくろう。
1面の本棚をつくりたい。
アクセントクロスをつかいたい。
リビングの入口だけかわいい扉にしたい。
既存を活かしながら一部分を変えるのはリフォームの得意分野だと思います。
『お気に入りに囲まれた自分らしい暮らし』は人の心や生活を豊かにすると思います。
新築にも自分ができることがありそうだな・・・と最近は感じるようになりました。
一部を残しながらの施工は、だれでもできるわけではないと思います。
やはりリフォームが得意な職人さんにお願いしたほうが良いですし、そういった職人さんたちの技術力の高さをもっともっと大事にしていきたいなと思いました。
「自分らしい暮らし」を求めるこ人が増えた今、「新築をリフォームする」がスタンダードになっていくかも知れません。