収納からプランを考える②
前回のブログで、素敵なお家づくりに欠かせないことの1つが「収納」だとお話しました。
では実際どのように考えればすっきり暮らせるのでしょう・・・。
片付け上手になる本や収納技などいろいろな便利な情報が出回ってはいるものの、いざ自分の家に当てはめてみるとなんだかうまくいかなかったり、最初は張り切っていても結局3日坊主・・・なんてことありませんか。
もしかしたらそれは自分で自分の生活パターンをうまくわかっていないのかも知れません。
ある人にはうまくいく収納術も、実践してみると逆にストレスになってしまったり。
まずは自分がどんな風に生活したら楽なのかを考えてみる必要があります。
今回は具体的な事例を用いて、生活から収納を考えてみたいと思います。
こちらがリフォーム前のお家の平面図です。
なんとなく、3つも大きな収納があるし十分入るような気がします。
ではここからどのように収納を作り替えたのでしょうか。
下がリフォーム後の平面図です。
収納だけで10か所も造作しています。
収納をつくるということはその分お部屋の面積を圧迫することにもつながりますよね。
むやみやたらと沢山つくれば良いわけではないのです。
実際どういった意図で作った収納かをポイントをおさえて説明していきます。
①の収納
『ずっととっておくわけじゃないけど、日々の生活のつかうものや書類など雑多なものをいれる棚』
この写真の正面にみえる白い扉の棚です。
お子さんの学校の書類や提出しなければならないけどまだ記入していない書類。
諸々の充電器など、すぐ近くにおいておきたい雑多な者たちって意外と多いものですよね。
普段の生活ではごちゃごちゃしがちで、でも捨てられないし・・・ストレスの1つの要因です。
そういったものをまとめてとりあえず扉を閉めれる場所があるってとっても便利。
少しの空間でもよいのです。『とりあえずいれておける』『後でまとめて片付けられる』というのは忙しい皆さんには必須だと思います。
②ソファの下の収納
『もらったお手紙や卒業アルバムなどほとんど見返さないけど捨てたくないものたちの居場所』
これらも意外と多くありませんか?
お子さんのつくったものや、過去にもらったお手紙。昔集めていたもの。。。
もちろん思い切って断捨離出来ればよいのですが、やはり残ってしまうもの。それを置いておく場所。検討が必要です。
上の写真の左に映るソファは、実は下が収納になっています。
普段使うものでないものは、こういった隠れ収納を利用しても空間を有効活用できます。
③リビングからアクセスできるファミリークローゼット
『普段の動線を考えてクローゼットを配置する』
賃貸のお家や新築の分譲住宅でも多いのが寝室にクローゼットが配置されているお家です。
なんとなくそれが普通なような気がしていますが、本当にその位置で良いのでしょうか。衣類は荷物の中でもウェイトを占めるものですし、洗濯してしまうといった日々の動線の中に密接に絡んでくるところです。
ここは普段の自分の動きをよく考えて、どこに配置するのが一番有効活用ができるかを考える必要があります。
こちらのお宅の例でいくとクローゼットはリビングからアクセスできるようにしています。
これは日々の生活の中で
・ご夫婦で朝仕事に出かける時間が違う
・かえって来たら部屋着に着替える習慣がある
・洗濯をハンガーなどに干したりする作業や、干した洗濯物を畳む作業をリビングで行う
などの生活スタイルがあります。
寝室にクローゼットがあると、先に起きたほうが電気をつけて寝ている人の邪魔になってしまいます。
また、寒い冬や暑い夏、先に帰ってきた家族が冷暖房をかけてくれたリビングから出たくなくなる・・・という状態に陥ったりしませんか。私はよくこうなります。
結局部屋着もリビングに置きっぱなし、コートを寝室に戻しに行くのも面倒くさい・・・となって、部屋が散らかっていく・・・ストレスへ・・という負のループになっていきます。
それがリビングにウォークインクローゼットがあるとへとへとで帰ってきてもなんとかその中にしまうくらいはできるわけです。明日もつかう会社のかばんもポンと置いていけるのが便利です。
また小さいお子さんがいるお家は、着替えがすぐ近くにあるのは良いといった声もききます。
ただ、10人が10人この配置が良いわけではありません。
リビングに洋服をしまう場所が隣接しているのは嫌だな・・と思う人もいると思います。
果たして自分たちの家庭の生活スタイルでどこに収納があればよりストレスなく生活の流れをこなしていけるのか・・・それを考えるのは、よい家づくりをする上でとっても大切なことなのです。
④リビングに設けた収納
『掃除機の居場所』
こちらも忘れがちなのが、掃除機をどこに置くか・・・です。
日々の生活で頻度高くつかうものなので、どこに置くかは重要です。部屋の中にそのまま立てかけておくと、お子さんがぶつかって倒れたり・・・。洗濯物を干そうと思ってひっかかったり・・・。
掃除機も専用の居場所をつくってしまっておけると便利です。
最近は充電式のものも多いので、収納の中に電源をつけて中で充電できるようにすると良いでしょう。
⑤キッチンまわりの収納
こちらも衣類と並んで荷物が多くなりがちなところですね。
こちらのお宅では、キッチン自体の収納のほかにキッチン背面に腰高の扉付きの収納、
そして上部に普段使いの器が置ける棚を造作しています。
キッチンの収納は大きく分けて
・食器類
・ストック類
・鍋やフライパンなどの調理器具
・キッチン家電
忘れがちなのは
・ゴミ箱やスーパーの袋をしまう場所
などがあります。
キッチンは入れたり出したりが多い場所です。取り出しやすいことがとても重要です。
その中で見せる収納と隠す収納を上手に分けると『素敵な生活感』を出していけるのではないかと思います。
食器や調理器具など好きな方はあえてつるしたり、インテリアにして見せる収納にしても良いと思います。
食品関係や食器は色や素材もそれぞれなので雑多になりがちです。
すべて扉をつけて隠してしまうのもすっきりと暮らせる秘訣です。
また、ウォークインクローゼットのように小部屋のような小さなスペースをつくって、(パントリー)すべてその中で完結してしまうのも手だと思います。
⑧の収納
『意外とかさばるアウトドア用品をしまう場所』
こちらのお宅の例では、玄関の正面に靴箱とは別にアウトドアのものをしまう場所を設けています。
スキー・スノーボードやゴルフのグッズ、キャンプ用品などなど。
スポーツ用品やアウトドア用品は実はかさばります。
こちらも自分たちの生活にどれだけのアウトドアの荷物があるのかを把握して、それを収納する場所もしっかり確保する必要があります。
良くお部屋がひとつお父さんのゴルフグッズで埋まっている・・なんてお話を聞いたりします。
思いきって専用の納戸のような場所をつくってみても良いかも知れません。
⑨の収納
『意外と忘れがち、大切な書類関係をしまう場所』
家を買ったときの書類や家電などの説明書、銀行関係の資料など捨てられない大事なものたちありますよね。
普段はつかわないからどこか奥にしまってしまったけど、いざという時探すのが大変・・・なんて経験ありませんか。
こういったものはどこかまとめておける場所を用意しておく必要があると思います。
場合によっては鍵がかかるようにしても良いかも知れませんね。
いかがでしたか。
収納は生活スタイルや個人の考えかたに密着するものなので、セオリーにするのが難しいです。
リフォームなどを考える際は、ざっくり大きな枠で良いので自分たちにどういった収納が必要なのかを検討してみると、住んだ後にすっきり暮らすことが出来ますよ。
【この記事のまとめ】
収納をしっかり考えて、ストレスフリーな生活を手に入れよう
・収納は普段の生活スタイルから考える
・細々した普段近くにおいておきたいものの居場所を考える
・思い出の品など普段づかいはしないけど捨てられない置き場所を考える
・衣類をしまう場所は朝と帰宅後、洗濯スタイルの動線から検討する
・アウトドアやスポーツ関係の大きい荷物がどのくらいあるのかしっかり把握
・大事な書類などまとめておける場所を検討する